都築響一によるHEAVEN

広島市現代美術館で現在行われている展示、副題「都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン」。


都築響一氏。「私はジャーナリズム専門であり、作者ではない」と語る。展示もその意に沿って撮影可能。
以下、撮影した数々。

部屋の写真の展示。会場には広島のFM番組が流れている。なに一つとして同じ部屋はなく、赤裸々な個人の内部が部屋に凝縮され、それぞれ際立っている。ごつごつした主張ばかりが集まるのかと思いきや、意外に調和がとれている。友達の部屋を渡り歩いている感覚。多彩な超個人の空間を行ったり来たりする。

見世物小屋に掛けられていた布に描かれた絵。丸尾末広の画風によく似ている。蛇女、人間の顔をした動物など。昭和のエロ・グロ・ナンセンスだろう。回顧趣味、かもしれないがいまだ新しい驚きだ。

さくらももこ『幕の内弁当』の著書にも掲載あり。
そのほか、広島の元暴走続が作成した改造バイクや、スナックの一部を再現した展示も。

日常を切り取り美術館にそのままおいてみると作品になるのだろうか。いや、生活を紡ぐことが作品そのものだろう。
いま、ここで生きることそれがHEAVEN。